Butterfly Project バタフライ・プロジェクトとは
バタフライ・プロジェクトとは。
文/岡本英史〈BEAU PAYSAGE〉
バタフライ・プロジェクトとは、「誰が、どういう想いで、どのような過程を経たのか」を生産者自ら情報開示できる仕組みを構築し、消費者と新たな関係性を築くためのプラットフォームを目指す、食を中心とした活動です。
最初はぼくがワイン生産者として補糖に疑問を感じるようになったことから始まります。補糖に使われる砂糖が生産国の自然環境や生産・加工に関わる人々に与えている影響を知って愕然としました。「日本のワイン、おいしいね」と言って飲んでいることが地球の裏側で熱帯雨林の破壊や貧困を引き起こしているとしたら。それまでまったく気にしたことがありませんでした。知らないところで誰かを泣かせたり何かを傷つけたりしていた。でも知ってしまった以上このままではいられない。何か自分にできることはあるだろうか、と考えるようになりました。ワインだけでなく、一つの食品をつくることが自然環境や貧困などとてもたくさんのことにつながっています。ところが、食品をつくる工程が複雑になり分断され情報が分かりづらくなってしまっているのが現状です。
そこでまずは「知ること」から始めようと思います。でも本当に必要な情報はすべて生産者が持っています。ただ今まで生産者は売るために都合のよい情報しか公開しようとしてきませんでした。そこで生産者が自ら消費者にとって必要な情報を公開していきましょうという活動を始めることにしました。
もしも、何がいい悪いとか、誰がいい悪いではなく、一人ひとりが自分の価値観に合うものを選ぶことができるようになったなら。生産者、消費者という枠を超えて友人として付き合っていけたなら…。そんな希望を抱きながら最終的に目指すところは、一人ひとりが自分の生活が与える影響をコントロールできるようにしようというものです。もっと自分らしく楽しく暮らせるように。
そう、これは夢の活動ではありません。今からあなたも私たちと一緒に歩き出してくれると信じています。
*BEAU PAYSAGEコンピレーション・ブック・シリーズ ( la montagne / Chardonnay / Pinot Noir) の販売価格の7%は、 バタフライ・プロジェクトの活動資金として使われます。